本記事では、2014年に再販した復刻版ランドクルーザー70(通称:ランクル70)における実燃費と年間にかかる維持費についての情報を詳しくお届けしたい。(以降:ランクル70と省略)
復刻版ランクル70とはどんな車?
トヨタの中で最も歴史深い車と言われている「ランドクルーザー」。
その中の代表格とされるのが“ランドクルーザー70系”だ。
1984年の発売以来、凡そ30年間その圧倒的な存在感を維持し続けてきた。
当初からディーゼルエンジンを搭載していたランクル70は日本の排ガス規制等の諸問題により、2004年に国内でも販売を終了した。国内販売終了後も海外向けの生産および輸出は続けられていた。
2014年に再販された復刻ランクル70のモデルは、南アフリカ仕様をベースとして国内向けに製造された。
南アフリカでのランドクルーザー支持率は絶対的なものがあったのと同時に、日本と同様に道路交通法より左側通行であるために、そもそもの仕様が右ハンドということもあったため、これを日本の保安基準に合致させようと左フロント側に補助のミラーを追加、またリヤバンパーにリフレクターを装着するなど仕様にも若干の変化を付けた。
このように、リーズナブルな価格設定を実現するため、生産工程から最低限の改変で済む等の理由から、2014年の再販モデルは南アフリカ仕様が選出されたのではなかろうか。
全2種類のボディタイプを設定
復刻版ランクル70は、バン(ワゴン)とピックアップトラックの2タイプのラインナップがあり、いずれも1ナンバーの商用車登録となった。
搭載するエンジンも大きな魅力の一つ?
”ヘビーデューティーなランクルにはディーゼルエンジンが相応しい!”そう考えるランクルファンも少なくはないのではないだろうか。
しかし、2014年再販時の復刻版ランクル70モデルでは、あえてのガソリンエンジン仕様のみのラインとなった。
また搭載されるエンジンは、ランドクルーザープラドやFJクルーザーと同様にV型6気筒4000ccのガソリンエンジン、「1GR-FE」型のみである。
この「1GR-FE」型エンジンは本来であればハイオクガソリンが推奨されているが、世界中で使用されることも考慮したため、レギュラーガソリンでも十分走行が可能なように設計されている。
復刻ランクル70 カタログ燃費と気になる実燃費は?
俗にいうSUV車とはわけが違う、”本物のヘビーオフロード車”の代名詞であるランクル70。
そのため、燃費においてはあまり期待する人は多くはなさそうだ。
しかしながら近年の原油価格高騰を考えれば、愛車の燃費事情においても決して他人事ではないだろう。
では実際に復刻版ランクル70のカタログ燃費と実燃費について詳しく見ていこう。
ランクル70のカタログ燃費
ランクル70のカタログに記載されていた燃費は、JC08:6.6km/Lだ。
2003年頃からあったとされる車の燃費偽装問題により、燃費における世の中の注目度が急上昇しているなか、カタログに記載される燃費についても近年更に厳しくなっている。
そのため、6.6km/Lという数字はお世辞にも良いとは言えない。
ランクル70の実燃費
ランクル70の実燃費は、実際のユーザーたちの情報をまとめてみてもそれぞれ使用頻度や乗り方により様々なようだ。
例えば、市街地走行が主な使用目的であれば、ストップ・アンド・ゴーを頻繁に繰り返しながらの走行になるため5km/l程度しか走らないようだ。
一方で、安定した速度で長距離を走った場合であれば凡そ9km/lほどまで数字が伸びている記事も見受けられた。
なお、季節によってはエアコンの使用環境や総走行距離なども実燃費に大いに影響してくるため、一口には言えないのが正直なところだ。
カタログ燃費と実燃費の差
余談にはなるが、そもそもなぜこのように車メーカーが公式的に発表するカタログ記載の「JC08モード燃費」と実燃費に大きな差が生まれるのか、考えてみたことはあるだろうか。
ここでいう「JC08モード」とは走行パターンのことを指す。
車メーカーにおける実燃費測定にはこのJCB08モードによる走行を全部で4つに分類し、それぞれの観点から評価するのだ。
実施には、平均速度24・4km/h(10・15モード22・7km/h)、最高速度81・6km/h(同70km/h)、所要時間1204秒(同660秒)、走行距離8・127km(同4・165km)
このJC08モードだが、2011年4月より導入された。
1991年より続いていた10・15モードの改正を経て、より実燃費に近い数値を出すことができるという根拠のもとに始まった。
実際の維持費は?
さて、新しく車を購入する際にあらかじめ抑えておきたいのが維持費の目安だ。
1年間にかかる車の維持費の項目やそれぞれの目安について紹介していこう。
復刻版ランクル70は車両登録が貨物車両として分類されており、ナンバーは1ナンバー。
そのため、復刻版ランクル70の車検は2年車検でなく1年車検となる。※新車登録では初めが2年、以降が1年車検となる。
ランクル70にかかる税金はいくら?
車の所有者であれば毎年必ず支払わなければならないのが車の税金。
2019年に大きな税制改定が行われ、これまでの“自動車取得税”が廃止となり、“環境性能割”が変わりに課されることとなった。
そして現在、「自動車税」「自動車重量税」「環境性能割」「消費税」の4種類である。
それでは、各種税金において詳しくご紹介していこう。
自動車税
所有する車のエンジン排気量によって課税額が異なる。
また、新車登録から13年が経過すると、環境に負荷を与えるという名目により一定額が加算される決まりとなっているのだ。
※1年に1回、4月1日時点の所有者が支払い、以下のように排気量に応じて課税される。
自動車重量税
車そのものの重さに応じて課せられる税金。
こちらも自動車税と同様に、購入からの経過年数により、税額が異なるとされるので注意が必要だ。
※車検のタイミングで車検証の有効期間分(初回は3年、その後は2年)をまとめて支払う。
※環境性能が優れた車であれば、エコカー減税が適応され減税・免税の対象となる場合もある。
環境性能割
廃止された自動車取得税に代わり2019年10月1日より、「環境性能割」という新たな税金が課されるようになった。
車の購入時に支払う税金で中古車を購入する場合も対象となり、税制改正から2020年9月末まで通常の税率から1%軽減する措置がとられていた。
また、新車登録から11年以上経過するとその自動車税は15%上がる。
なお、1ナンバー車両が高速道路を利用される場合、1.2倍ほどの通行料金となるため、高速道路の使用頻度が高い方には気になるところではないでしょうか。
税金以外で必要な車維持費
- 自賠責保険料
- 検査印紙代
- メンテナンス費用(車検以外の消耗品費)
- 燃料代
- 駐車場料(持ち家の場合不要)
- その他 (任意保険料など)
このように、車を所有する際に避けては通れない維持費は車検や車両税のみならず様々な項目が挙げられる。
車を新たに購入する際は、しっかりとした知識の中で考えたいところだ。